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OECD Multilingual Summaries

OECD Sovereign Borrowing Outlook 2014

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OECD国債借入アウトルック2014

日本語要約

OECDのソブリン債発行体は引き続き複雑な環境下で大きな課題に直面している

各国政府の国債発行主体は、市場と流動性リスクの高まり、長期金利の上昇、世界経済成長への障害などの懸念に取り組んでいる。中央銀行はいつ、どのくらいの速さで、どのように非伝統的金融政策プログラムから手を引くかという問題が持ち上がっているからである。巨額の財政赤字と極めて高い債務比率が減少、低下に転じていない国では、国債の発行が難航している。信頼に足る中期的な財政再建計画が実施されていない場合、膨大な公的債務残高を抱えていることで、政府が信認低下のリスクに晒されているからである。中途半端な金融部門改革による負の遺産や、(審議中の)新たな規制が市場流動性に悪影響を及ぼすことなどについても懸念されている。対応策として、多くの債務管理当局(DMO)は、国債の発行戦略と販売手続きを調整せざるを得なくなっている。中には、新型の債券を導入したところや、導入を検討しているところもある。

借入額は2012年にピークに達し、2014年には減少するが、債務比率は高止まりし上昇し続ける

OECD諸国政府全体の総借入必要額は、2012年に11兆米ドルでピークに達した模様であるが、OECD諸国の債務管理者は政府債務比率が未だ上昇している中で資金調達を行わなければならないという大きな課題に直面している。2013年のOECD全体の借入必要総額は10兆8,000億米ドルへと若干減少する見込みである。2014年には、比較的高水準の償還が続くものの、10兆6,000億米ドルへとさらに減少するものと予測される。2014年の借入純額は1兆5,000億米ドルへと減少する見込みであるが、OECD全体の政府債務比率は上昇する見通しである。

こうした環境下で、借り換えなければならない満期到来分の更新リスクを許容限度内に抑えつつ、低コストで多額の資金を調達するのは依然として容易なことではない。多くのOECD諸国の債務管理者は、長期国債の発行増額と短期国債の発行減額により、債務ポートフォリオのバランスを取り戻す努力を続けている。

主要な結論

  • 2014年の借入額は減少するが、債務比率は高止まりする。一部の主要OECD諸国は、2014年の一般政府債務が第二次世界大戦以降で最大に達する見込みである。
  • 2013年及び2014年の短期国債発行額の比率は、約49%という金融危機前のそれを大幅に下回る、45~46%の範囲にとどまる見込みである。
  • 2013年の長期国債発行額の比率は87%前後となる見込みで、2014年には88.1%に達する見込みである。
  • 主要先進諸国の長期国債利回りは歴史的に極めて相関性が高い。
  • OECD全体で国債の借換えニーズがあることは大きな課題となっており、3年後には長期国債発行残高の約29%に達するだろう。
  • 安全性の高いソブリン資産の総供給は、特に、ソブリンリスクを幅広く捉えた場合、不足していない。「トリプルA基準」ではなく、AAA格、AA格、A格の国債も安全と見なすべきである。
  • DMOは、既存のプライマリーディーラー制度に対する圧力と、国債発行・、流通市場の流動性に対する(今後見込まれる)規制の悪影響に関する懸念を表明している。
  • 中央銀行の非伝統的金融政策に対する姿勢が変化すると、国債相場は極めて変動しやすくなるかもしれない。退出措置(量的緩和縮小を含む)は、くれぐれも慎重に、かつ市場への明確な情報伝達と、中央銀行と政府の間の適切な双方向の意思疎通の下で、実施しなければならない。

© OECD

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© OECD (2014), OECD Sovereign Borrowing Outlook 2014, OECD Publishing.
doi: 10.1787/sov_b_outlk-2014-en

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