1887

OECD Multilingual Summaries

Measuring Distance to the SDG Targets 2019

An Assessment of Where OECD Countries Stand

Summary in Japanese

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SDGターゲットまでの距離を測る 2019年版

OECD加盟国の現状評価

日本語要約

2030アジェンダが掲げる意欲的な目標の達成期限まであと11年あるが、OECD加盟国は現時点で持続可能な開発目標(SDG)の達成にどこまで近づいているのだろうか。また、依然として測定できないターゲットと指標があることで、我々の理解はどの程度妨げられているのか。 OECDが公表した「SDGターゲット達成度」調査の目的は、加盟各国が自国の現状を評価し、目標達成のために更なる努力を要する分野を特定できるよう支援することにある。本報告書では、統計上のアジェンダも設定し、我々の理解が進んでいないことがどの程度あるのか、またそれがSDGの達成とこの膨大なアジェンダの優先順位の決定の双方にどのように影響し得るのかを明らかにしている。本調査で使用した方法論は、OECD加盟国が自国のSDG達成度と課題を比較しながら理解するための方法にもなっている。

本報告書は、前回の2017年調査よりもさらに踏み込み、指標ごとにOECD加盟国が正しい方向に進んでいるか否かを明らかにしながら、これまでどのように取り組みを進めてきたか調査している。また、どの程度の2030アジェンダが本質的に国境を越えた取り組みなのか、したがって自国の取り組みが国内でSDGターゲットを満たしているかということに焦点を当て、国境を越えて及ぼす影響を検討するよう各国に求めている。

本調査で用いている指標は、持続可能な開発目標指標に関する機関間及び専門家グループ が合意した国連グローバル指標リストに沿ったもので、OECDの情報と国連SDGグローバルデータベースを基に作成されている。入手できたデータで評価できたのは、169のSDGターゲットのうちわずか105で、その内87についてのみ指標がそのターゲットの方向に進捗しているかを評価することができた。ターゲットレベル自体は、可能な限り2030アジェンダの文言に盛り込まれている達成レベルを参照して設定されているが、2030アジェンダに明確なターゲットレベルが示されていない場合には、国際的な合意と専門家の意見に依拠し、(それもない場合には)達成状況が上位10%に入るOECD加盟国をベンチマークとしている。

本調査の結果によると、OECD加盟国が概して達成に最も近いのは、基本的設備(エネルギー、情報通信技術、近代的な教育施設など)の利用可能性、妊産婦、幼児、新生児の死亡率、統計能力、一般市民による情報の利用可能性 、沿岸域の保全などのターゲットである。一方、達成まで最も遠いのは、不平等(相対的所得貧困、教育格差、女性の社会進出とリーダーシップなど)、健康に関わる行動 (喫煙、栄養不良)、特定の教育成果と雇用成果(中等教育、成人の計算能力、教育や訓練に参加せず働いてもいない若者の割合)、暴力と安全(女性に対する暴力、安心感など)に関するターゲットである。

目標レベルで集計すると、OECD加盟国が概して達成に最も近いのは、エネルギー・都市・気候に関する目標(目標7、11、13)と地球環境に関連する目標(目標6:水、目標12:持続可能な生産、目標13:気候、目標14:海洋、目標15:生物多様性)であることが本調査からわかった。一方で、男女平等や不平等の解消(目標5、10)などの包摂性に関連する目標は達成まで最も遠く、食料と制度(目標2、16)も成果の乏しい分野である。しかし、この評価は現時点で測定可能な指標のみに基づいて行われていることを強調しておくことが重要である。データカバレッジ(網羅率)は、海洋や持続可能な生産などの地球環境に関連する目標について最も乏しいのに対して、健康と教育に関する目標では最も充実している。このようなデータの欠如による不確実性を内包した分析は、より完全なデータセットが利用できれば、結果が大きく変わる可能性があることを示唆している。

個々の目標とターゲットの達成状況は、OECD加盟各国間でかなりの差がある。このように大きな差が存在することは、各国がSDGを実施するにあたりターゲットレベルで成果を検討する必要があることを強く示唆している。

時系列データ(76の指標に適用可能)によると、OECD諸国の大半が健康、男女平等、5つの地球環境の目標に関するターゲットについては、達成に向けて進展していることが分かる。それに対して、実績の悪化が最も顕著な分野は、食料(2.2.2.肥満 )、健康(3.b.1.ワクチン接種の割合)、経済(8.1.1.GDP成長率、8.2.1.生産性成長率、8.5.2.失業率)、生物多様性(15.5.1.主要な種群の保護状況と絶滅の危険性)に関連するものである。しかし、OECD加盟国のうち少なくとも3分の1の国々が、ほとんどの指標について目に見える成果を上げていない。

それにもかかわらず、今回の初の分析で変革のスピードを測定していないということは、たとえ指標が正しい方向に進んでいる場合でも、2030年までのどの時点でターゲットが達成される見込みかという点について評価していないということを意味する。

2030アジェンダが掲げるターゲットの半数以上に国境を越えた効果があると考えられるため、各国がこれらのターゲットを達成するにあたっては国境の外にも影響を及ぼす可能性がある。こうした影響は近隣諸国にとどまらず遠く離れた国や世界の公共財にまで及び得る。しかし、国境を越えて影響を及ぼす97のターゲットのうち、指標を利用できるのは31に過ぎず、2030アジェンダのグローバルで相互に結びついた側面とその実施を把握するためのデータは大幅に欠如している。

前回の報告書は、国連の持続可能な開発目標に関するハイレベル政治フォーラム で報告される各国の自発的審査(Voluntary National Reviews)で参考資料として利用されたり、SDGを把握する際のデータの欠如を特定したり、政府と市民社会のSDGへの関与を深めるために利用されたりするなど、各国がSDGに関して情報を発信する際に活用されている。これにより本報告書は、分析の基礎を提供し、各国のニーズに合わせてSDGの実施と進捗状況の把握を支援できる柔軟なツールであることが証明されている。OECDでは、SDGに関する行動計画の一環として今後も、本調査が加盟国にとってできる限り有益なものとなるように分析の幅と深さを充実させていく。

© OECD

本要約はOECDの公式翻訳ではありません。

本要約の転載は、OECDの著作権と原書名を明記することを条件に許可されます。

多言語版要約は、英語とフランス語で発表されたOECD出版物の抄録を 翻訳したものです。

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© OECD (2019), Measuring Distance to the SDG Targets 2019: An Assessment of Where OECD Countries Stand, OECD Publishing.
doi: 10.1787/a8caf3fa-en

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