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OECD Multilingual Summaries

Measuring the Digital Transformation

A Roadmap for the Future

Summary in Japanese

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10.1787/9789264311992-en

デジタル転換を測る

将来へのロードマップ

日本語要約

「デジタル転換を測る:将来へのロードマップ」は、「デジタル化:政策形成と生活の向上(Going Digital: Shaping Policies, Improving Lives)」で挙げられた現在のデジタル政策問題に照らして、様々な分野-教育、イノベーションから貿易、経済社会的成果まで-にわたる指標を提示することで、デジタル転換の現状について新たな考察を提供する。またそれによって、測定されていない部分を明らかにし、将来を見越した測定のロードマップを設定している。

デジタル技術はイノベーションを民主化できるが、更なる普及拡大の可能性が十分にある

移動性、クラウドコンピューティング、モノのインターネット(IoT)、人工知能(AI)、ビックデータ解析などは、今日のデジタル転換を牽引する最も重要な要因である。2013~16年には、中国、台湾、日本、韓国、米国の5カ国が、最先端デジタル技術のトップ25種の開発の70~100%を占めていた。データの蓄積と処理にかかるコストが低下したことで、大量のデータの収集とビッグデータ解析の採用が促進され、全企業の12%、大企業の3分の1がそれを行っている。データセンターが必須のインフラになりつつあり、クラウドコンピューティング-利用者が必要なときに(都度購入するのではなく)いつでもICTにオンデマンドアクセスできる-によって企業、特に小規模で創業したばかりの資金繰りに苦慮している企業は、新たな技術を実験し、ビジネスサイクルにおいてその技術を実用化するコストを削減できるようになった。2018年には、OECD諸国の小規模企業のほぼ26%が、クラウドサービスを購入している。

かつてないほど多くの人がネットワークに接続できるようになったが、それ以外の格差が現れている

OECD諸国では、インターネット利用者の割合が過去10年で30%ポイントも高まり、ギリシャ、メキシコ、トルコでは2倍以上に増加した。現在では、ブラジル、中国、南アフリカの半数以上の個人がインターネットを利用しており、OECD諸国との差が縮まっている。2018年には、OECD諸国の個人の4人に3人がインターネットを毎日利用している。しかし、インターネットをほぼ全ての人が利用できる国々でも、インターネット利用の高度化という点では差があり、多くの人々は比較的基本的な限られた活動しかオンラインで行っていない。測定された全活動領域でインターネットを利用している人の割合が45~60%に達したのは、北欧のいくつかの国々のみである。また、インターネットの利用には年齢層による差もある。大半のOECD諸国では、16~24歳のほぼ全ての人々がインターネットを毎日利用している-2018年の中央値は96%-が、55~74歳では中央値は55%にとどまり、先進的な国々と遅れている国々との間には非常に大きな差(約50%ポイント)がある。

若い世代の人々は常時接続が常態化しているが、その生活環境への影響に注意を払うべき

OECD諸国では、6歳までにインターネットを利用しことがある生徒の割合は17%に上る。2015年には、15歳の若者の43%が学校外で毎日2~6時間をオンラインの利用に費やしている。この割合は2012年には30%だった。欧州では、2016年の平均的な個人の一日のインターネット利用時間数は3時間以上だが、14~24歳の平均はそれより更に1.5時間長い。OECD諸国全体で見ると、90%の生徒がデジタル端末を利用しており、2015年にはその内61%が端末を利用していると時間を忘れる、55%がインターネットが利用できないと気分が悪くなると答えている。フランス、ギリシャ、ポルトガル、スウェーデンでは、後者の割合が80%に達している。また、若い世代の方が、インターネット上で個人情報を提供している人の割合が高い。

あらゆる企業と市場がデジタル転換の影響を受けるが、変化のペースは様々である

デジタル転換の範囲とスピードは国によっても、産業部門や組織、地域によっても様々である。今日では、デジタル技術を利用していない企業はほとんどないが、それを最大限活用できていない企業が多い。企業のブロードバンドアクセスはほぼ飽和状態に達しているが、平均すると、2018年に高速ブロードバンド(100Mbps以上)を利用していた企業は、OECD中わずか20%である。OECDの新たな分類によると、高度デジタル集約型部門の方がそれ以外の産業部門よりも活力があり、規模の拡大が速いが、その活力が減退するのも著しく、時間とともに市場の集中が進みやすい。高度デジタル集約型部門の企業はそれ以外の企業と比べて、利幅-企業がその算出に対してつける価格と、その企業が1単位分の生産にかかるコストとの差-が55%高く、その差は拡大している。

高度デジタル集約型部門の企業では職業が増えており、スキルへの注目が高まっている

OECDの新たな分類によると、2006~2016年にOECD地域で生まれた3800万件の職業のうち約40%が、高度デジタル集約型部門で創出された。職業は、そのICT集約度-ICT関連の業務が行われる頻度-という点で多様で、ロシアとトルコの約40%から北欧諸国のほぼ60%まで幅がある。情報産業の雇用者の約25~50%がICTの専門家だが、他の産業では平均するとICTの専門家1人に対し他のICT集約型職業の人約4人を雇用している。2011~2017年に欧州で創出された追加的な職業10件につき4件が、ICT業務集約型の職業に属する。ほとんどのOECD諸国で、女性の方が男性よりもICT業務集約度が高い仕事に従事する傾向がある。しかし、2017年の欧州の16~24歳のプログラマーの大半は男性だった。

幅広いスキルが求められており、訓練が重要

デジタル転換にうまく適応するには、確たる認知的スキル(数学、読解力)と問題解決能力、さらに否認知的社会的スキル(コミュニケーション力、創造力)が必要である。しかし、OECD諸国の16~65歳の13%は基本的な認知的スキルを身につけておらず、高度な読解力、数的思考力、問題解決能力という認知的スキルを包括的に身につけている人の割合は、30%に満たない。若い世代ほど良い成果を上げており、技術を多く使う環境における問題解決能力が高い若年労働者の割合は、最高齢の労働者のそれのほぼ5倍である。デジタル転換において成功するには、訓練と技能の向上が必須である。2018年には、欧州連合の労働者の40%が新しいソフトウェアやICTツールの使い方を学ばなければならず、約10%はこうした変化に対処できるように測定の訓練を必要としていた。職場のデジタル化に適応できるようする訓練を最も必要としているのは低技能労働者だが、その中で訓練を受けた人の割合は40%に過ぎず、反対に高技能労働者では約75%だった。現在、OECD諸国政府は失業者及び失業のリスクを抱える労働者向けの訓練に対GDP比0.13%を支出しているが、デジタル転換に適応するにはそれを大幅に増やす必要がある。

既存の尺度と測定ツールは現状維持に必死で、新たな取り組みに着手することが急務

国際的な統計コミュニティは進歩を遂げているだけでなく更なる進歩が後に控えているが、デジタル転換の監視と方向性の決定に必要な実証を強化するためには、取り組むべき課題が山積している。OECD Going Digitalプロジェクトで実施されている測定作業から、9つの行動が提案されている。これらは、それを優先して実行すれば、デジタル転換とその影響を監視する各国の能力が大幅に向上するというものである。

始めの4つの包括的行動は、次世代のデータと指標の構築に向けられており、デジタル転換の課題に対応するものである。

  • デジタル転換を経済統計の中で目に見えるようにする。
  • デジタル転換の経済的影響を理解する。
  • デジタル時代の幸福を測る。
  • データ収集のための新しいアプローチを設計する。

残る5つの行動は、注目すべき特定分野についてのものである。

  • 変革技術(具体的にはモノのインターネット、人工知能、ブロックチェーン)を監視する。
  • データとデータフローを理解する。
  • デジタル時代に必要なスキルを定義、測定する。
  • オンライン環境における信頼を測る。
  • 政府のデジタル力を評価する。

更なる実証を構築することで、各国はデジタル時代における成長と幸福を促進する政策をさらに堅固なものにする基盤を構築することができる。今行動を起こすことで、将来成果が上がる。

© OECD

本要約はOECDの公式翻訳ではありません。

本要約の転載は、OECDの著作権と原書名を明記することを条件に許可されます。

多言語版要約は、英語とフランス語で発表されたOECD出版物の抄録を 翻訳したものです。

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© OECD (2019), Measuring the Digital Transformation: A Roadmap for the Future, OECD Publishing.
doi: 10.1787/9789264311992-en

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