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OECD Multilingual Summaries

OECD Pensions Outlook 2014

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OECD年金アウトルック2014

日本語要約

本年版『OECD年金アウトルック』は、年金制度が直面している課題にどのように対応しているのかを探っている。人口の高齢化と、低収益率、低成長、低金利を特徴とする困難な経済環境を背景に、年金制度には深刻な問題が生じており、賦課方式の公的年金と積立方式の年金のいずれもがその影響を受けている。

年金保険料を増額し拠出期間を長期化することで、人口高齢化が年金制度にもたらす課題に部分的に対処できる

人口高齢化や、特に継続的に死亡率が下がり平均寿命が長くなった結果、賦課方式の年金は財政の持続可能性という問題を抱え、確定給付型の積立年金は継続的な支払能力を確保する必要に迫られ、確定拠出型の年金では、個人が退職後に十分な所得を得られるようにする手立てを検討する必要が生じている。これらの課題に対処する最善のアプローチは、特に平均寿命の延びに伴って退職年齢を引き上げ、保険料を増額して拠出期間を長期化させることである。

年金基金と年金供給者は、死亡率と平均寿命が将来的にどの程度改善するかわからないため、長寿リスクに晒されている。債務が想定以上に増加するリスクに対処するため、規制当局と政策当局は、年金基金と年金供給者が、死亡率と平均寿命の将来の改善を盛り込んだ、定期的に更新される死亡表を利用しているか確認すべきである。規制枠組みも、透明性、標準化、流動性へのニーズに対処することで、資本市場が長寿リスクを軽減する追加的な能力を提供する一助となる。この点において、指数に基づく金融商品と、長寿ヘッジの値付けやリスク評価のベンチマークとなる長寿指数の公表が役に立つだろう。さらに、規制枠組みはこれらの金融商品が提供するリスクの影響を軽減することも認識すべきである。

各国は、年金改革のペースを加速させて、高齢化社会における資金不足の懸念に対処しつつ、持続不可能な政府債務と公的年金支出の双方を安定させようとしている

大半の国は、2012年2月から2014年9月までに、年金制度改革に非常に積極的に取り組んでいる。大部分の国が年金制度の財政の持続可能性を改善するための改革を実施した。社会的弱者の退職後所得の水準を維持または改善しつつ、改革を実施している国もある。名目給付額の削減に頼ったのは、経済危機から特に大きな打撃を受けた少数の国々のみである。多くの国は、支出を軽減するために年金給付物価スライド制の削減や繰り延べを幅広く活用しつつ、年金所得税を引き上げるか、確定給付型公的年金の保険料を引き上げた。

多くの国は、法定退職年齢の引き上げにより、実質的に就労生活が長期化する人々への十分な給付額を保持しつつ、保険料の納付者を拡大しようとしている。就労の奨励は、早期退職条件を厳格化したり就労報奨金を増やすことで強化されている。効率性を高めるための年金管理費抑制策はかなり一般化している。

所得水準に関する懸念に対処するために、強制加入年金の対象をこれまで除外されてきた層(自営業者など)にまで拡大している国もあれば、新型給付を導入している国もある。多くの国は、確定拠出型積立年金の強制拠出金を引き上げている。金融危機の影響により、分散を強化し、私的年金を確保するための政策も一般化している。

加入率、保険料、実効退職年齢の引き上げと良好な経済環境の組み合わせで、私的年金の補完的役割は高まるだろう

私的年金は十分な退職後所得を下支えする上で重要な役割を果たす。それでも、私的年金は、高額所得者を除き、一般的には退職後所得の主要な源泉になっていない。私的年金がずっと以前からすでに整備されている国を除き、若年世代は高齢世代より退職時に私的年金に頼る可能性が高いかもしれない。

私的年金の補完的役割を強化するための政策オプションとして、強制加入や自動加入などによる加入率の引き上げ、退職年齢の引き上げなどによる保険料納付額の増額や拠出期間の長期化の奨励、私的年金の利用しやすさを求める層への対象絞り込み、公的年金と私的年金の連携改善などが挙げられる。資産収益率の上昇や生産性伸び率の上昇を伴う良好な経済環境も助けになるだろう。

自動加入制度を通じて私的年金の加入率を引き上げることができるかどうかは、制度設計や、制度の開始と実施に伴って行われる広報・啓発活動、および、他の既存の奨励策の成否次第である

OECD6か国の入手可能なデータなどによれば、自動加入は年金加入率にプラスの影響を及ぼしている。しかし、加入率は強制加入の場合と同じ水準にはまだ達していない。自動加入プログラムが加入率の上昇にうまく結び付くようにするための一貫した政策戦略の主要な要素として、私的年金加入率を引き上げる必要のある層を特定する、自動加入制度に入るための障壁(年齢や所得水準など)が保険j陵納付の早期開始を妨げないようにするとともに、補完的な私的年金の恩恵を受け得る個人を排除しないようにする、年金制度全体と整合的な既定の保険料率を定める、プログラムと他の既存の奨励策との補完性を注意深く評価する、プログラムの開始と実施に伴って行なわれる効果的な広報、啓発活動を策定する、といったことが挙げられる。雇用主は自動加入の管理面で不可欠の役割を果たす場合も多いが、何らかの保険料を負担する上に、多額の法令遵守費用まで負担する可能性がある。国の費用は主に補助金とマッチング拠出金に係るものである。

年金計算書と国民年金広報活動(NPCC)は、年金制度が直面する課題にうまく対処するための主要なツールである

個人年金計算書は、明瞭かつシンプルな情報を提供すべきである。理想的には、個人に関わる全ての国民年金情報を提供すべきである。年金計算書の作成者は、明瞭かつ測定可能な目標を定めるべきである。年金計算書は、加入者が、拠出金の増額や退職の先延ばしなど、退職後所得の水準を引き上げるための積極的措置を講じるよう促したり、奨励したりすることを目指すべきである。シンプルな説明と年金予測が積極的選択の奨励に及ぼす影響は相殺関係にあるので、政策決定者は、年金計算書が年金予測を提供すべきかどうか評価する必要がある。

NPCCは、理想的には、国家戦略全体の一環として行われるべきものであり、年金改革や年金危機など大型の事象が生じると、特定のNPCCが必要となる。NPCCの成功は、その目標やプロセスに対して測定・評価・監視し得る成果をもたらす明瞭かつ現実的で対象をよく絞り込んだ目的に牽引される。したがって、確たる評価プロセスが極めて重要である。評価は、戦略のための資金が限られている場合でも、その不可欠の要素として活動予算に組み込むべきである。NPCCは、複数のメッセージを発しないようにするとともに、メッセージが届きにくい層に焦点を絞るべきである。最後に、政策当局は、メディアの活用や、革新的な広報チャネルの利用、積極的関与を引き出すためのアウトリーチプログラム策定などの方法を模索すべきである。

© OECD

本要約はOECDの公式翻訳ではありません。

本要約の転載は、OECDの著作権と原書名を明記することを条件に許可されます。

多言語版要約は、英語とフランス語で発表されたOECD出版物の抄録を 翻訳したものです。

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